エネルギー考:オリエンテーション松川地熱発電所見学

【No.18006/2018.05.25】

 普段何気なく使っている電気であることから、一見、地味で変化が少ない技術に思えてしまいます。現実には全く逆です。自然環境や社会情勢が大きく変動するのに合わせて、常に安定した供給をしなければなりません。そのため安定供給には強靭でかつ緻密な制御技術等が必要になります。特に、東日本大震災を契機に日本のエネルギーをどう賄っていくのかが議論されています。その担い手として、石油・石炭・原子力・風力など再生可能エネルギーや自然エネルギーなど様々な手法の組み合わせ、ベストミックスを築き上げることが求められます。その担い手の一つに、火山国日本の特徴を生かし、二酸化炭素の排出が押さえられるクリーンな国産エネルギーに地熱発電があります。
 5月10日(木)と11日(金)に恒例の新入生オリエンテーションが実施され、初日は八幡平国立公園にある松川地熱発電所を見学しました。日本で初めての地熱発電所です。Photo.1は要となる蒸気の取り出し口ですが、意外にこぢんまりした印象を受けました。一方で、使用済みの高温水を冷やす冷却塔は壮大なものでした。(Photo.2)地熱発電は日本で総発電量のわずか0.2%を占めているだけです。当日の読売新聞では火山国であるアイスランドでは30%との記事がありました。すわ、地熱発電を!と思ってしまいますが、安定供給、温泉資源、コスト等の課題を乗り越える必要があるようです。

Photo.1 意外に目立たない蒸気井(せい) Photo.2 冷却塔を前に新入生の記念写真