E-letterNo16021「破壊する!」

夏になると高校と八戸工業大学との間で様々な催し物が開催されます。08 月03 日(水)と04 日(木)には、八戸工業大学第二高等学校の八戸工業大学サマー・サイエンス・プログラムHIT-SSP(Summer Science Program)が行われました。電気電子システム学科では電子回路の基本的なコツを学んでもらいました。そこでは、写真1 に示す変わった実験が披露されました。コンデンサに高い電圧をかける破壊実験です。高い電圧による反応により、ガスが発生しコンデンサの内圧が上昇し、その結果、写真2 のように破壊してしまいます。かなりの迫力です。電気電子部品には使用限度を表す定格が定められています。ものづくりにおいては事例を重ねて安全性を高めていく必要があり、限界を知ることは大切です。

風呂は水を貯めることができますが、コンデンサは電荷を蓄積できます。電気を通さない絶縁物を介して2 枚の電極を向かい合わせたのがコンデンサです。でも、絶縁体は、ある限度の電圧以上で絶縁性を失って大電流が流れてしまいます。この現象を絶縁破壊といい、電気電子機器においてはこれを起こらないようにすることが必要です。破壊には、どこが、何がきっかけなるのか様々な要因が関わっています。特にものづくりが均質にできるようになると、どこが破壊するかなど予測が更に難しくなります。破壊実験は安全性向上の貴重な情報を与えてくれます。

写真2 のコンデンサの頭に十字の切り込みがあります。これは破壊する場所を特定するために、壊れやすいところを作り込まれた部分です。様々な顔をみせてくれるのが、「破壊」です。


 

写真1 佐々木崇徳講師が行う破壊実験

写真1 佐々木崇徳講師が行う破壊実験

写真2 絶縁破壊前後の電解コンデンサの変化

写真2 絶縁破壊前後の電解コンデンサの変化

pdf版:2016_Letter_No21