E-letterNo16020「暑い!異変が起きる」

07 月29 日(金)にサイクロン掃除機が急に停止してしまいました。電源コードでも切れたのかなと思っていたのですが、しばらくすると復帰しました。さて、何が原因かとあれこれ探り、どうもフィルタの目詰まりによる過熱が原因のようでした。ファンの負荷となり、回転数が上がり、冷却よりも発熱が勝って加熱防止回路が作動したようです。即、フィルタなどの掃除を施して事無きを得ました。折しも、この日は気温がグングン上昇し、写真1 のように八戸市が33.4 度の今夏最高気温を記録した日であるというニュースが放映されていました。常日頃からの手入れの大切さを感じた一件でした。

ところで、電気電子工学は電子などを扱いますが、温度・熱というのは機械工学が取り組む内容のような気がしませんか。実は電子回路においても熱の問題は重要です。トランジスタやIC など半導体は、僅かな電圧や電流で大きな電圧や電流を制御できる利点があることから、実に様々なところで活躍しています。しかし、物事には陽があれば、陰もあります。弱点は温度によって性質が大きく変わってしまうことです。2 つの異なる半導体の境目(pn 接合面)が150 度位を超えてしまうとイチコロです。そのため、そこで発生する熱を如何に外へ伝えるか、すなわち放熱するかがミソになります。写真2 は液晶テレビの裏側です。両側に冷却フィンやヒダヒダのヒートシンク(放熱器)が配置され、如何に放熱に気を使っているかが分かります。熱の流れは電気回路に置き換えて設計することができます。機械か?電気か?と壁を立てずに互いに連携して取り組むことが、解決への早道のようです。


 

写真1 NHK 青森放送局が伝える最高気温

写真1 NHK 青森放送局が伝える最高気温

写真2 両側に冷却ファンや放熱器が配置されたテレビの裏側

写真2 両側に冷却ファンや放熱器が配置されたテレビの裏側

pdf版:2016_Letter_No20