科学技術を読む

科学技術を読む

執筆:教授 関秀廣

 市内に八戸ブックセンターというこじんまりとした本屋さんがあります。珍しく八戸市の直営で専門書が主体となっており、「本のまち八戸」づくりの拠点の一役を担っています。八戸工大の書籍紹介コーナーもあり、5月から8月までは私の担当でした。そこでは、Fig.1に示した10冊の書籍を紹介させてもらいました。既に絶版となった書もあります。

 

 私たちは工学に携わっていますが、科学的な知識をもってして技術を生み出し、社会へ還元していくのが仕事になります。その意味で自然の摂理を基に「こと」と「もの」に還元して社会へ浸透させていくのが科学技術と言えます。私は液晶ディスプレイに取り組んでいますが、日本の液晶産業は、わずか10年程度で世界のトップランナーとなりました。そこでは、様々な人と多くの技術の関わり合いがあり、発展の契機となってきました。実際にどのような要素があったのかを見出せないかを思っていました。

 

 そうした中で出会った書籍、また、編集で携わった著述を紹介していますが、人との出会いと同様に、これまでの世界を知り、それを糧に新しい社会を作り上げていくダイナミズムを吸収できたのではと思っています。皆さん、秋の夜長、時には読書で過ごしましょう。

Fig. 1 科学技術と社会の関り合いを読む。