この地の底力を体感できる「学外研修」

この地の底力を体感できる「学外研修」

執筆:教授 関秀廣

 電気電子工学科では3年生になると「学外研修」という地域の特徴的な施設設備を視察する授業があります。今年は、9月20日(金)に六ケ所村にある国際核融合エネルギー研究センターの見学が行われました。電気エネルギーは単一の方法だけに頼るのではなく多様な取り組み(エネルギーミックス)が行われてこそ、異常事態になっても回復できる(レリジエンス)信頼性を得ることができます。核融合は、いわば地上に太陽を実現しようという日本とヨーロッパが協力して行われている挑戦的な研究です。

 核融合ではプラスとマイナスのそれぞれの電荷が自由に動ける状態(プラズマ)を作り出すことが必要なため、これをシミュレーション(模擬実験・計算)することが役立ちます。写真1はこれを担っているクレイ社製のスーパーコンピュータです。クレイ社はスパコンの開発においては冠たる位置を築いている米国の会社です。核融合炉では、高いエネルギーを持った中性子が周囲の材料にダメージを与える恐れがあります。そこで中性子照射に対して材料が耐えうることを検証しようとする施設が写真2です。

 こうした国際的に最先端の大規模施設を目の当たりにできるのは、この地の大きな利点です。日常目にしたことない施設見学は面白く、印象深く、技術の必要性、先進性を肌で感じることができます。