9 月3 日(土) 13:00 から14:30 まで八戸中心商店街「チーノはちのへ」に開所した「地域産業総合研究所 産学連携プラザ」で公開講座「電気エネルギーを求めて」が開催されました。講演は電気電子システム学科の花田一磨講師でした。(写真1)電気は現代社会になくてはならない大事なエネルギーの一つです。電気が私たちの生活をどのように変えていったのか、そしてこれからどのように変わっていくのかといったことについて、電気の歴史から最近話題の再生可能エネルギーの固定価格買取制度、電力システム改革など、いくつかの事例に触れながら紹介されました。青森県に初めて電気のあかりが灯されたのは明治30 年1 月24 日で、青森電灯株式会社の小さな火力発電で灯されました。青森市を流れる堤川には、海側から順に石森橋、青柳橋、旭橋、うとう橋、国道4 号を通す堤橋、甲田橋等が架けられています。その青柳橋と旭橋の間の東岸に「青森の電気発祥の地」の碑があります。1200 燭光のアーク灯の輝きは、当時の人々にとっては大きな驚きだったようです。
電気の弱みの一つになりますが、皆さんが使う電力量に対して作る電力量を同じにしなければなりません。これを「同時同量」と言うことがあります。電力の需給バランスが崩れると、周波数が変動することにつながります。供給より需要が多いと周波数は低下し、逆に需要が少ないと周波数は上昇します。その果ては大規模な停電になってしまいます。そのため精密な発電所の運転が行われています。
東日本大震災では、東北地方や関東地方を中心に845 万世帯に及ぶ大停電が発生しました。これにより、日本の電力状況が大きく変化しました。今、将来を見据えて電力システム改革が叫ばれています。電力システム改革は1.安定供給の確保、2.料金抑制、3.事業機会拡大の3 点を目的として、1.広域的な送電線運用の拡大、2.小売の全面自由化、3.送配電部門の中立性の確保を大きな柱として事業が進んで行くこととなっています。皆さんは電気を使うときは、気軽に使っています。でも、その背後では大規模かつ精密な電力制御が行なわれていることを時々思い起して下さい。電気は大切に使いましょう!
pdf版:2016_Letter_No26