情報通信・ハイテク重装備な漁業船舶

情報通信・ハイテク重装備な漁業船舶

No.09118/2009.04.01

執筆:准教授 柴田幸司

 八戸の港には漁師の町らしく様々な漁業船舶が停泊していますが、その上部を見るとびっくりするくらい多くのアンテナが立ち並んでいます。写真1は集魚灯が目立つタイプで、写真2はカレイなど海底にいる魚を捕捉する船です。漁師の方にお聞きしたところ、1.は魚価や風・波の状態など漁業の情報を得る端末、2.は船舶の衝突防止用レーダ(FURUNO & JRC)、3.は漁船同士の業務用無線、4.は船舶電話(FURUNO)用だそうです。色んな形をしてるなあと思われる方もいるでしょうが、これらは電波を出す(受ける)方向や波長(周波数)に大きく関係します。以前は電気的な調整をしながら最適寸法を決定していましたが、コンピュータや手法が発達した現在では構造や規模にもよりますが電磁波シミュレーションによりかなりの精度で形状を定めることが出来ます。理論的に洗練されたこれらのデザインを美しく感じるのは私だけでしょうか?。なおマグロ漁船などに搭載する魚探用ソナーは海中に向けて音波を発射し物体からの反射波を可視化する装置ですから、電波を用いるレーダとは扱う波の種類が異なります。くれぐれもお間違いの無いように。