アクティブ・ラーニングを活性化させる電子黒板システム

アクティブ・ラーニングを活性化させる電子黒板システム

執筆:教授 信山克義

 電気電子工学科では、学生自らが主体的・能動的に学ぶアクティブ・ラーニングを積極的に導入しています。例えば2学年の専門科目「電気回路演習Ⅰ・Ⅱ」では、演習問題について学生4~6人のグループでディスカッションを行い、代表の学生がプレゼンテーションを行っています。従来は教室にホワイトボードを複数台設置してプレゼンテーションを行っていましたが、複雑な電気回路図や解法などをホワイトボードにすべて書き写すだけでも多くの時間がかかり手間となっていました。そこで、㈱アイ・オー・データ機器及び㈱ビジネスサービスと協同で「3画面連動型電子黒板システム」を構築しました。2017年11月下旬より授業へ試験的に導入し、2018年度から本格的な活用を開始しました。
 教室の壁側に55型大画面モニター3台を横一列に配置し、大画面モニターの上部に外付け型タッチ化ユニットを取り付け、PCを接続することで電子黒板化しています。また、大画面モニターの3画面連動表示が可能であり、電子黒板化した大画面モニターの画面を他の大画面モニターに複製あるいは拡張することができます。PCにはスキャナーを接続しており、演習問題の解法などが書かれた学生のノートなどを読み取った後、即座に大画面モニターへ表示することができます。
 さらに、2019年度からは学生が座る各テーブルに21.5型タッチディスプレイ(以下、ミニ電子黒板と記す)計7台を配置しました。タッチディスプレイの背面にWi-Fi内蔵ミニPCを接続し、マイクロソフトの無償アプリ「Microsoft Whiteboard」を使うことで大画面モニター側とコンテンツを双方向でリンクさせ、どちらの書き込みもリアルタイムに反映することができます。各グループの理解度や進捗に応じて見たい箇所が異なることもありますが、ミニ電子黒板はグループごとに必要なところを拡大してディスカッションを行うことができます。
 学生の主体性や対話力を高め、学習定着率をアップさせるために、今後もこの電子黒板システムを活用し、学生の意見を取り入れながらアクティブ・ラーニングのさらなる活性化を図っていきたいと考えております。