インターネットを考える

インターネットを考える

執筆:教授 関秀廣

 8月27日は大学全体が施錠され、出入口が制限された非常体制が取られました。2020年8月27日(木)デーリー東北 第20面 第二社会の新聞記事のように、ネットで八戸工大が名指しで爆破予告が出回ったためです。結果的には何事もありませんでした。この頃はネットに関係して、多くの学生が問題を抱えています。舌足らずの言葉使いで互いに食い違いが生じて関係にヒビが入るといったものです。聞いていると、直接会うことの良さが身に染みます。

 私たちにとって日常必要不可欠なインターネットですが、発端は米国国防省が60年代末に始めた ARPA (Advance Research Project Agency)ネットで、大学や研究機関の多様な科学技術研究の協力ネットワークとして作られ、性善説の紳士協定にもとづく研究用ネットワークでした。利点としては、新聞・ラジオ・テレビに加えた新たな情報源であり、地球規模で大量の情報を入手でき、双方向通信、確実性(Fig.1)を有した通信であるなどがあります。

 一方で、ディジタルデバイド(情報格差)やプライバシー保護、セキュリティの確保の課題があります。様々な考えを持った人々で構成される社会は、負の部分も負ってしまいます。科学技術はそれらを含めて課題克服で発展してした面もあります。いろいろなリスクは次の取り組むべき課題にもなります。電気電子工学的な観点からこれらに果敢に挑戦して乗り越えていきたいものです。

Fig.1 インターネット通信