E-letterNo16008「電子産業の世界企業、韓国サムスンを語る。」

6 月17 日(金)夕方、八戸パークホテルで講演会が開催されました。講師は、韓国企業サムソン電子の常務取締役を務められた平井彰さんでした。平井さんは青森県の三廐の御出身で八戸工業高等専門学校を卒業後、松下電気産業(現パナソニック)、そしてサムソン電子で活躍され、ディスプレイ(電子表示素子)一本で歩んで来られた方です。ディスプレイはブラウン管、プラズマ、液晶、そして有機EL(OLED)と時代を経て変遷を遂げてきました。栄枯盛衰の歴史があります。お話では、科学技術がなければ物は作れないと同時に、消費者である皆さんが受け入れるものに作り上げるべく、経済や状況や市場分析のもとに方針と計画があってできることを説かれました。幅広い方々との交流との経験をもとに世界における日本の企業の在り方を始めとした示唆に富んだお話でした。

電気電子システム学科では、「電気」分野の科学技術を学びますが、加えて経済のような教養分野にも取り組んでもらいます。「電気」だけじゃないの?という声も聞こえてきそうですが、科学技術は皆が使えることで役立ちます。これが、研究開発の魅力、面白み、醍醐味、にもなります。技術経営という言葉をがあります。MOT(Management of Technology)とも言います。ものづくりで得られた知識や技術情報(ノウハウ:know-how)や考え方を、経営学の立場からを秩序だてて整理(体系化)したものです。技術を使って何かを生み出すグループのための経営学です。平井さんは技術者出身ですが、それを経営にまで広げて実力を発揮された姿を拝見し、一層、技術経営の大切さを感じた一時でした。


 

写真1 韓国・忠清南道の牙山市湯井にあるサムスン電子の 大規模液晶ディスプレイ工業団地*

写真1 韓国・忠清南道の牙山市湯井にあるサムスン電子の 大規模液晶ディスプレイ工業団地* ( *Tangjeong-myeon, Asan-si, Chungcheongnam-do, Korea)

写真2 ディスプレイを聞く (左から関学科長、平井彰氏)

写真2 ディスプレイを聞く (左から関学科長、平井彰氏)

pdf版:2016_Letter_No08