OB・OGだより「岩澤利治さん」

八戸工業大学同窓会報第18号掲載記事(2012年発行)

平成7年 電気工学科卒(関研究室) 岩澤 利治さん
 現在:岩手県立盛岡工業高等学校教諭

岩崎 利治さん
岩崎 利治さん

 卒業後は故郷の岩手県で工業高校の教員をしております。教員1年目の時に、授業で使う教材のことで、当時研究室でお世話になった関秀廣先生の元へ相談に押しかけたところ、ご多忙中にもかかわらず時間を割いてアドバイスや資料等の提供を頂きました。懐かしく、ありがたい思い出です。私にとって八戸工業大学で過ごした4年間は、尊敬する先生方、そして良き友人に恵まれ、本当に充実した日々でした。

 3月11日の震災による津波で当時勤務していた母校の宮古工業高校は1階が水没し、それから校舎が復旧するまでの約半年間、別の高校の教室を間借りして授業をしました。当然そこには工業高校のような実習室や機材は無く、屋外や放課後の空き教室に工具や電線を運んで実習をした日もありました。そんな不自由な環境でも、生徒たちが目標を見失わずに頑張る姿を目の当たりにし、私たち教員の方が生徒から元気をもらったのを昨日のことのように思い出します。それは将来このエンジニアの卵たちが、必ずや復興を成し遂げてくれると確信した瞬間でもありました。

 被災地はまだまだ困難な状況が続くと思われます。それを打破するためにもエンジニアの力が必要不可欠です。私自身はもちろんのこと、教え子や八戸工業大学の卒業生がその役割を担うことを夢見て、これからも教壇に立ち続けたいと思います。