根城安伯「退任にあたって」

退任にあたって
 名誉教授 根城安伯 先生(平成30年3月退職)

 昭和52年4月に八戸工業大学に着任して以来、退任するまでの長い間、水交会・学科教職員・学生の方々には、多方面にわたり大変お世話になりました。皆様のご協力とご助力を得て無事に勤務を完了することができました。心から感謝申し上げます。
 石油ショックの覚めやらぬ当時から今日までの間、本学の教育方針や大学活性化対策、さらには学部の改組、募集活動などの活動の中での教育研究活動、業務遂行、社会貢献活動を振り返るとき、一言では言い表せない感慨を覚えます。私は当初、一般教育部に所属しましたが、電気電子工学科へ移籍した契機は大学院設置のためでした。それ以来、研究室に受け入れた二百数十名の卒業研究生が卒業し、三十数名の大学院生が修了しました。本学に奉職後、大半の時間を電気工学科とともに歩んできたことになります。私の研究室に初めて受け入れた大学院生は旧エネルギー工学科卒業の社会人でしたが、本学大学院においても初めての社会人大学院生でした。本人は、現在、イギリスの企業で精力的に仕事をしています。 学部・大学院を通して多くの卒業生・修了生が、今では企業や公務員の中堅または指導的な立場で活躍しています。彼らが組織のリーダーとして精力的に働いている姿を見ることは、微笑ましくも嬉しいことです。
 電気電子工学科ばかりでなく、卒業生の活躍と教職員の強い連携は大学の発展を築く礎となっています。この絆は、電気電子工学科においては水交会を中心にした組織があり、大変心強い実績があります。若い卒業生の参加者が増えれば今後もゆるぎない絆を形成していくことができるでしょう。情報公開や国際化の波が浸透してきた現在、企業はもちろんのこと大学も大きな変化の波に曝されています。波を乗り越えるためにはチャレンジすることが必要ですが、それに加えて独自の個性を打ち出すことが望まれます。電気電子工学科および水交会の皆様のパワーを結集し、未来を拓かれることを期待して皆様に送る言葉といたします。