佐藤正毅「同窓生に贈る言葉」

八戸工業大学同窓会報第17号掲載記事(2011年8月発行)

同窓生に贈る言葉
 名誉教授 佐藤 正毅 先生(平成23年3月退職)

最終講義 (平成23年1月19日)
最終講義
(平成23年1月19日)

 同窓生の皆さん、この3月で八戸工業大学を定年退職となりました。38年間、皆さんと過ごした愉快な日々を思い出します。また皆さんからは、卒業研修を通して、私の研究に大きな力をいただきました。感謝いたします。

 それにしても、多くの犠牲者をだしている、日本史上最大の東北関東大地震の起きた年の3月に退職となってしまいました。同窓生の皆さん大丈夫ですか。困ったことがあったら大学に知らせて下さい。八戸工業大学は、きっと皆さんに救いの手を差し伸べてくれます。もしも、皆さんの近くに震災で困っている人がいたら、救いの手を差し伸べて下さい。

 どうしてこんな悲惨なことが起きたのか、これから私たちはどうやって日本を立て直すのか、これからの社会、政治、経済、教育、科学と技術などのあり方が問われています。震災による被害を悲惨で大きくしているのは、科学と技術へのこれまでの過信ではないでしょうか。これからは高慢な科学技術から謙遜な科学技術への転換が必要と思われます。

 八戸工業大学の「良き技術は良き人格から生まれる」をいつも思い出して、人間を磨きながら仕事に励んで下さい。これが、幸せで有意義な暮らしの秘訣と思います。

皆さんの健康が守られ、それぞれの職場で任された仕事を着実に仕上げ、堅実な歩みをなすことができますよう、お祈りしています。