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●時代を捉えた新しい学科構想
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1. 新しい電気電子システム学科がスタート
平成22年4月から新しい電気電子システム学科(Department of Electrical and Electronic Systems)が始まります。電気電子工学系分野は、情報通信技術(ICT:Information and Communication Technology)が進んだこともあり、飛躍的な発展を遂げて、
様々な専門分野が生まれ、高度化が図られています。
ただ、細分化されてしまう結果、多様な技術の連携が取りにくくなりつつあります。これに対して本学科では、学生にそれぞれの分野間を相互有機的に連携できるシステム化能力を身に付けてもらおうと考えています。また、地球規模での持続可能な社会を実現できる低炭素技術の修得を目指して、
環境・エネルギーも考慮した技術力の育成を重視する教育を実践します。これは、風力、原子力、核融合等の電気エネルギー拠点として位置づけられている北東北地域の強い要請にも応えるものです。
2. 今なぜ電気なのでしょうか?
2003年8月14日は忘れられない日です。午後4時10分、アメリカ合衆国とカナダで大停電が起きました。わずか9秒間のアッという間の出来事でした。真夏の炎天下、エアコンも使えず約5000万人もの人々が停電の被害を受けてしまいました。
原因は、送電管理設備の一部の故障が、他の施設に次々に影響を与え、ドミノ式に連鎖反応を起こしたためだそうです。どうやって電気を安全で確実に伝えるのかが大切な技術となっています。
最近、エネルギーに注目が寄せられています。エネルギーとは仕事をする能力のことを指しています。図2のように、石油、石炭、風力、太陽光、原子力、核融合・・・・様々なエネルギー源があります。ほとんどエネルギーの源には電気が関わっているからです。
社会の活動が活発になればエネルギーが必要になってきます。これを安全にしかも確実に供給しなければならず、新エネルギーの開発とともに技術開発が必要になっています。二酸化炭素CO2の排出を抑え、高い変換効率の技術開発が求められています。
新学科では学生でもこうした分野で活躍できるような教育が求められています。
3. 何故システムが必要なのでしょうか?
図3にロボットが描かれています。最近は人間の豊かな表情までできるようになりました。この動作をよく見ると、3つの大きな要素で動いていることが分かります。それは電気・電子・情報の三要素です。
人間“腹がへっては戦はできぬ”というように食べないことにはパワーがでません。ロボットでは電気エネルギーが食べ物に対応します。リチウムバッテリー、太陽パネル、電灯線など、全て動く原動力となります。ちなみにエネルギーとは仕事をする能力を指しています。
次に動き始めるとき、人間は眼で周囲を確認します。視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚のように人間は5感を通して周囲の様子を探っています。ロボットではこれに対応するセンサ(検知器)があります。
さらには人間では分からない磁気センサ、電磁波センサ、赤外線センサ、紫外線センサ、位置センサなど様々なセンサが社会で必要になっています。人間は五感での情報のもとに明るい、暗い、暖かい、寒い、柔らかい、堅いというように判断をします。
ロボットでは中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で判断を行い、動作を指令します。
こうした一連の行動において、電気・電子・情報の3 つがどれ一つとして欠けることなく連携することによって、やりたいことができるようになります。それぞれが機能を発揮するとともに全体を見ながら(制御しながら)うまく頭(知能)を使って、スムーズに仕事を仕上げていきます。
これをシステム化といい、バラバラの機能を連携統合することで優れた機能を発揮できることになります。ここではロボットを取り上げましたが、iPod、携帯電話、パソコン、薄型テレビ、電磁調理器、ハイブリッドカー、宇宙衛星・・・・ありとあらゆる電気電子機器に関わる機器では、
こうした3要素が連携したものづくりが社会を豊かにしています。
4. どうすれば物を動かせるのでしょうか?
電気電子機器は図3のようにエネルギー・情報信号・処理制御が上手に組み合わされる(システム化)ことで、動作させることができます。そうしたことができるエキスパートを育てるために電気電子システム学科では図4のような教育を行うことにしました。
関係する分野を電気・電子・情報の三本柱に組み上げ、それぞれをきちんと組み合わせる(システム化)教育内容に充実させています。さらに地球温暖化、環境エネルギーの課題には、太陽光、風力、核融合等の新エネルギー開発としても取り組みます。
このような三本柱を実社会に適応させるため、より具体的な内容を表す名称として次のような3つの系として教育研究が行われます。
電気 → 電気エネルギーシステム系
電子 → 電子デバイス・システム制御系
情報 → 情報・通信・メディア系
電気電子分野に情報通信制御技術を統合させて、より幅広い選択が可能な新しい学科電気電子システム学科がスタートします。
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図1 学科が新しく生まれ変わります

図2 電気エネルギーの大切さ

図3 3つの大きな要素でシステムを作る

図4 バランスの取れたE科人材育成構造
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●充実した3分野2コース制の教育
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1. 3分野2コース制
電気電子システム学科では電気・電子・情報の3分野の内容を中心に、様々な学び方できるように2コース制を取っています。図5に学年毎に学ぶ内容を示しています。入学時は全員が専修エンジニアリングコースに登録されます。1学年と2学年では基本となる授業が開講されています。
この間は自分自身の進路をじっくり考える次期です。3学年に進級する時点で専修エンジニアリングコースか総合エンジニアリングコースかが決定されます。専修エンジニアリングコースは、幅広い専門的能力と、より確かな教養力および倫理観を持ち合わせ、
グローバルなフィールドにおいて活躍できる技術者を養成するコースです。一方、総合エンジニアリングコースは、電気電子情報工学分野を三つの分野系に分離し、各専門分野の実践力を身に付けた技術者を養成するコースです。担任教員が相談にのりながら、
皆さんの大切な将来設計を作り上げていきます。
2. エンジニアリング・デザインが貴方を磨きます
電気電子システム学科ではエンジニアリング・デザイン教育を重視しています。エンジニアリング・デザインとは、一つの課題が与えられたときに、様々な知識を集約して、色々な解を考え出す能力のこと指しています。
数学で例えると10になる計算には8+2、9+1、11-1、12-2…など様々な式が考えられるのと同じです。作った物を使っているともっと欲しいことが出てくるのが人間の常です。そのときせっかくできたのにと過去にとらわれスに、新しい使い方ができるものを作りあげる挑戦力が必要となります。
このようなチャレンジ精神に富んだ企画力、設計力を育むために図6のように講義に連携して電気・電子・情報に関する基礎事項を実習・実験できるようにプログラムされています。電気電子プログラム入門から卒業研究に至るまでに一貫した実習・実験を通してより実践的な教育が施されます。
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図5 3分野2コース制の充実した教育内容

図6 一貫したエンジニアリング・デザイン教育
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●あなたの魅力を引き出すE科三つの支援
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1. E科三つの支援:E-Triple Supports
大学4年間を有意義に楽しく過ごそうと思っても不安を感じたり、思ったようにうまくいかないこともあります。そうしたことが無いように電気電子システム学科ではE-Triple Supportsという支援を行って掲げています。
これは、図7のように“学び”、“資格”、“進路”の3つの項目を中心とした支援です。普段学びながら、実力を資格で確認しながら、進路を求めていこうとするとき、その時々で支援の手を差し出しながら、学生自身が着実に進みながら自信を持ち、自分自身の魅力を見出して磨きをかけます。
2.“学び”の支援、アチナビがカリキュラム設計をサポート
大学では3分野2コース制で学生一人一人が自分自身の目的に応じてカリキュラム(教育課程)の設計ができます。とは言うものの経験が無いものを作り上げるには戸惑いことが多いものです。E科では“アチナビ”と呼ばれるカリキュラム設計支援ツールを使用できます。
これは“学び”について簡潔で、かつ迅速に学生自身の卒業に至るまでの足跡を把握できるとともに将来の模擬設計ができる、学科独自で開発して達成度評価システム(Achievement Navigation System、図8)です。
3. 希望したテーマが見つかる卒業研究、そして大学院教育
電気電子システム学科では、図9のように電気・電子・情報に関わる分野を電気エネルギーシステム系、電子デバイス・システム制御系、情報・通信・メディア系の3分野に大別して様々な研究が実施されています。
太陽光発電の高効率化、新エネルギーの創出、電磁環境解析、ロボット立体空間認識技術の開発、省電力型電子ディスプレイ技術の開発など約50のテーマに取り組んでいます。この取り組みは、大学院の電子電気・情報工学専攻と連携して行われます。
課題を一つ取り上げて様々な角度から解決を図るという課題解決型学修(PBL:Problem Based Learning)方式が取られています。
4. “資格”の支援、自己研鑽を促す集中講義
普段講義を受けながら、更に自分自身の研鑽を積みたいと思う学生も多くいます。研究室に出入りしながら最先端の技術開発に触れたいとする学生もいます。一方では資格取得に努める学生もいます。
資格取得の勉学は自分自身の実力がどの程度体系的に身に付いているのかを知るにも良いバロメータにもなります。学科では卒業と同時に資格取得につながる様々な特典が得られます。また、電気主任技術者試験(電験)の積極的な支援も行っています。
本学科を卒業して実務経験を重ねることで電気主任技術者一種、二種、三種の資格が得られるのですが、在学中に資格取得の上、対応したいという学生が多くいます。
そこで、電子知能システム学科では学生自らのポリッシュアップ(切磋琢磨)を支援する一環として、電気主任技術者試験(電験:でんけん)の夏季集細分化して集中的にポイントを整理して教えます。これには電子知能システム学科の教員が、それぞれの専門を活かして力を注ぎます。
学生にとっては授業の中で教わったものをより実践的な形で学べるとともに、知識の整理統合の上、自分自身の実力向上を図ることができる利点があります。
電気電子システム学科での取組成果がぞくぞく報告されています。平成20年度では大学院博士課程前期2年の中野渡潤さん(十和田工業高校出身)が見事第二種電気主任技術者試験に合格しました。8,039名の総申込者に対して合格者は675名であり、合格率は7.4%の難関でした。
東北地区での合格者は僅か45名に留まっています。また、第三種電気主任技術者についても、合格または科目合格者が続々と出ています。
電験では電気理論、電力、機械、電気法規の4分野、第二種の二次試験では電力・管理、機械・制御が試験対象になります。バランスの取れた幅広い素養が身に付く良い機会にもなります。是非チャレンジを!
5. ”進路”の支援、37年の実績が貴方の進路を支えます。
今、ダイバーシティ(diversity)という言葉が注目されています。様々な人々が互いに取り組もうとする、多様性という意味です。白黒だけでは味気ないですが、虹色が加わると、豊かな世界が広がります。
同じような考え方の人だけでは問題の解決を図り発展させることはなかなか難しいことが多くあります。こんな時、様々な立場の人が意見を出し合うと知恵が湧いてきます。
電子電気・情報工学専攻後期課程の山村有希さんは本学科を卒業後大学院へ進みました。根城安伯教授の指導の下、宇宙の推進機として注目を集めているホール推進機について、プラズマの働きをシミュレーションし、効率向上を図る研究を進めました。
宇宙開発が益々近づいてきた感がありますが、その業績に対して平成18年度電気学会東北支部優秀論文賞が授与されました。その後、博士号を取得し大手企業で活躍しています。
4月は新入生を迎え、何とは無しに華やぐ季節です。平成21年度には落合さん、賈(カ)さん、村上さん、3人の女子学生を迎えました。賈さんは中国天津市からの留学生です。日本文化に慣れてないこともあり、二人がアシストしてくれています。
逆に賈さんからは中国語の指南があります。(図12)声調やピンイン等中国語ならではの発音は新鮮のようです。次の新しい技術者の卵が育ちつつあります。電気電子関係企業のみならず、自動車、航空、化学、農業、経済・・・・あらゆる分野で電気電子エンジニアが求められています。
皆さんの多様性(ダイバーシティ)を社会が求めているのです。工学系、普通科に限らず様々な学科、男女の区別無く活躍できます。来れ若人よ!
6. 「つぶし」がきく電気電子技術者
世界のHONDAに必要な精神とは?先日、八戸工大の先輩である及川勝文氏をお招きし、本田技研工業の企業説明会が実施されました。(図13)創業者の本田宗一郎氏から脈々と受け継がれている“やらまいか精神”から本田を取り巻く環境、さらにアジア新興国の技術的な追い上げの現状など、
現場の一線で活躍されている技術者だからこそ知りえる生の情報や体験を聞くことが出来ました。現在の自動車はエンジン一つ取っても電気電子情報技術がなければ成り立たず、学生の失敗を恐れない果敢なチャレンジを待っているとのことでした。ホンダスピリットあふれる及川さんの話に、
聴講した学生は食い入る様に聞き入っていました。
昭和47年に本学科の前進である電気工学科が開設されてから37年が経過しました。その間、約3,000名の卒業生が社会へと巣立ち、東京電力、日本原燃、東芝、JR東日本、コマツ、ユアテック、きんでんなど多様な業種で活躍をしています。
電気電子分野は勿論ですが、如何に多くの分野で電気電子技術者を求めているかということも分かります。
学科では社会の一線級の技術者の方による学術講演会、技術の社会における役割を自分の目で確かめる学外研修、インターンシップなど色々な角度から進路の動機付けとなる機会を設けています。
さらに、1学年から4学年までキャリアプランニングとういう自分自身の将来設計に関わる授業も行っています。
電気電子の面白さ、楽しさを味わってもらいながら、新しいものづくりに取り組む、それが我が、電気電子システム学科です。技術には終わりはありません。ある技術が発見されると、既にある技術と一緒になり、さらに新しい分野が切り開けるからです。
工業高校に限らず、普通高校や商業高校、女子学生等様々な学生が勉学に取り組んでいます。「つぶし」がきく電気電子技術者と言われることがあります、表現が適切でないかもしれませんが、それは数多くの分野で様々な出身の電気電子技術者が求められていることを意味するものです。
平成22年4月、八戸工業大学工学部電気電子システム学科はスタートします!!3分野2コース制で学ぶ内容を拡大し、集中講座等で実践的な資格指導を行い、これまでに培った実績のもとに貴方の進路を確実なものにします。
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図7 電気電子システム学科の三つの支援

図8 アチナビが様々な履修設計を可能とします

図9 あなたの意欲を湧かせる豊富な研究テーマ群

図10 第二種、第三種電気主任技術者試験合格者が続出

図11 第二種電験合格の中野渡潤さん

図12 学科のDiversityを担う3名

図13 貴方の活躍する分野を多角的に選択
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