E-letterNo16022「宇宙を泳ぐには?」

八戸市内にあるショッピングモール「チーノはちのへ」1 階に八戸工業大学産学連携プラザが出来ました。夏休みに入った08 月07 日(日)に催された開所式では、社会連携学術推進室長である電気電子システム学科の石山俊彦教授がプラザの説明を行いました。プラザは青森県三八地域県民局と連携し、イノベーション創出の推進を目的として、三八地域の企業と大学・高専の研究者とをつなぐ拠点「産学連携プラザ」として設けられました。今後、大学等の活動内容や研究成果の紹介など色々な催事(イベント)が開かれます。時々 立ち寄ってみて下さい。

開所記念セミナーでは電気電子システム学科教授の根城安伯から「未来を拓く宇宙推進」と題して講演が行われました。地球への帰還を果たした技術で世界をアッと言わせた宇宙機「はやぶさ」は、我々を感動させました。また、17 日の朝刊では宇宙船の機体に炭素繊維を使用する話題が取り上げられており、可能性が広がる宇宙技術です。宇宙開拓や探査活動を進める上で宇宙推進機の開発と性能向上が不可欠です。根城教授はプラズマについて長年研究されており、日本で開発された新しいタイプの推進機の現状について紹介されました 。

真空である宇宙において、電子を切り離した陽イオンを電界で加速して宇宙船から放出すると、その反動で機体は動き出します。これがイオンエンジンと呼ばれる電気ロケットです。この電気ロケットは、打ち上げで使用される燃料の燃焼(化学反応)を用いた化学ロケットに比べると、推力は小さいのですが、比較的少ない燃料で長時間動作させられる特徴を持っていることから、打ち上げられた後の宇宙探査機の軌道制御に多く用いられています。電気ロケット、電気自動車など、この頃、電気を力に変えて利用される機会が多くなってきた気がします。


 

写真1 新しく動き始めた産学連携プラザ

写真1 新しく動き始めた産学連携プラザ

写真2 宇宙技術を紹介する根城安伯教授

写真2 宇宙技術を紹介する根城安伯教授

pdf版:2016_Letter_No22