実験・実習と座学

実験・実習と座学

執筆:教授 石山武

 時々、高校生や中学生、あるいは小学生に簡単な実習や電子工作などを体験してもらう機会があるのですが、興味を持って積極的に取り組む生徒が多いことに驚きます。特に、動作の仕組みなど工作物の中身について質問されることも少なからずあり、理工系離れの心配は無用ではないかと感じさせられます。
 与えられたキットを作るだけ、動かすだけなら手順書を読めば何とかなりますが、その中身を理解しようとすると理工系の知識が必要になります。でも、よくよく聞いてみると、数学や物理(あるいは算数や理科)は難しくて苦手という生徒が多いようです。実際に、数学や物理と、それを応用した工作物や工業製品を結びつけて教えることができれば良いのですが、これはなかなか難しいことです。大学では両者の距離を少しでも縮めるため、実験・実習科目が豊富に準備されています。きっと今現在、数学や物理で学んでいる内容の重要性もわかってもらえると思います。ものづくりに興味がある生徒さんには、飽きずに理数科目をしっかり学んで、ぜひ理工系分野に進んで頂きたいと思います。