ハゲタカ(NHKドラマ)にみる日本的経営者

ハゲタカ(NHKドラマ)にみる日本的経営者

No.09142/2009.07.06

執筆:准教授 柴田幸司

写真1 本田宗一郎氏と名参謀の藤沢武夫氏

 最近、松下幸之助、本田宗一郎、井深大 氏等のバブル以前の物づくり人づくりに愚直な昭和の典型的な経営者が見直されているそうです。100年に一度と言われる不況の只中、一時の金融(マネー)がすべてという風潮からの原点回帰でしょうか?。ちょうど期を同じくして2006年頃NHKで放送されたドラマ・ハゲタカの劇場版が2009年に公開されました。現在の日本の厳しい立場は少子化など国内における諸問題の他、韓国・台湾さらに中国など新興国の猛烈な追い上げ等が複合され築かれていると思われますが、2000年近くの歴史を持つこの国の価値観が再び世界に受け入れられるためには、精神的に成熟した上での正しい判断能力とさらなる勤勉な仕事が必要であると考えられます。そんな私も10年間勤めた会社員生活から離れ17年ほど経ちましたが、風の便りによればこの間を経て企業を取り巻く環境も当時よりも随分と変化しています。しかし一方でジャック・アタリ氏が提唱している様に、どんな環境に居ても広い視野を以って仕事に最善の結果を残すことが、自身や一部の利益ではなく全世界の社会貢献につながるのかも知れません。